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消えた祖国の姿が浮かんでくる記憶の旅

ぼくはソ連生まれ 
カバー写真


20世紀のはじめに現われ、そして唐突に消滅したソビエト社会主義共和国連邦――ソ連。
あの巨大な政治的空間での生活を〈わたしたち〉はどれほど知っていただろうか。
ジーンズへのあこがれ、映画や小説の主人公たちへの熱狂、お酒の飲み方からトイレや台所にまつわる話、品不足の象徴だった行列の意外な効用など…。
青春時代までソ連市民だったルーマニアの作家が日々の生活の記憶を掘り起こした
エッセイのジグソーパズルで〈彼ら〉の暮らしが浮かび上がる。

定 価:1800円 税別

著者ヴァシレ・エルヌ
訳者:篁園誓子
ISBN978-4-910100-25-8 C0398
出版年:2022.8
判型:B6変型 頁数:240ページ
シリーズ名:群像社ライブラリー 45
在 庫:アリ
分 野:エッセイ/ルーマニア・ロシア

カバーデザイン/寺尾眞紀
……折にふれてぼくはソ連への切符を買いたくなる、でもそのたびに、そんなものはもう売っていないんだと思い出さなくちゃならない。どの鉄道も、飛行機も、道路も、もうソ連へは行かない。ソビエト連邦はもはや存在しないから。ぼくがこの国を訪問するたった一つの方法は記憶だけだ。これから続く文章は数々の思い出や信じられない冒険の物語。(本書より)

【目次】
前書きにかえて
ピオネールよ、永遠に/初めてのジーンズ /夏休み、大好きなキャンプ/チューインガム/ブラチーノ、ニェズナイカ、霧の中のハリネズミ……古き良き時代/ソ連の七〇年代生まれの見分け方/ぼくらの時代の英雄たち/
コムナルカ(1)/空き瓶回収所、または一ルーブルで何ができたか/シュティルリッツ――ソビエト版ジェームス・ボンド/ウリヤーノフ、レーニン、あるいはただイリイチとだけ/〈ヤーワ〉/革命家の愛人/セックス・イン・USSR(1)/ファニー・カプラン/学校、政治教育と夢中になっていたこと/一九六一年四月十二日、「行こうぜ」/
広告VSプロパガンダ・イン・USSR/スチリャーガ/ソビエト市民は何を飲んでいたか/八〇年代??勝利の行進と葬列と/パーヴェル・コルチャーギン、そしてブハーリンが大好きな理由/愉快な頓智者たちのクラブ/ゴルバチョフ、〈ペレストロイカ〉を掲げた並外れた書記長/反アルコール令/チェックメイト/チャパーエフ/モスフィルム/ソビエトでのモノの冒険/
ソビエトのコンドーム/セックス・イン・USSR(2)/地理の授業/ダンス・イン・USSR/日々の音楽とソビエトロック/フルシチョフの陽気な雪どけ/ソビエト式トイレへの頌詩(オード)/ソビエト科学――『運命の卵』と『犬の心臓』の間で/
五月九日、戦勝記念日/五月一日といえば〈マヨフカ〉/ソビエト的人間、政治指導員、反体制派、そして知識人/オルリョーノクとザルニーツァ、そしていろいろなお楽しみ/台所や行列で/ソビエトのユダヤ問題/ソビエトの笑い話、世界一の笑い話/翼のある言葉/ぼくのお気に入りのヒーロー、オスタップ・ベンデル/コムナルカ(2)/クレムリン学者/クーデター/何をなすべきか/P.S.

ヴァシレ・エルヌ Vasile ERNU
1971年ソ連生まれ。1996年、アレクサンドル・ヨアン・クザ大学哲学部卒業。1997年、バベシュ・ボヤイ大学修士課程哲学部修了(いずれもルーマニア)。雑誌編集者や出版社勤務等を経て、2006年、『ぼくは生まれ』で作家デビュー。その後も、『帝国最後の異端者たち』(2009)、マージナル小三部作『分派たち』(2015)、『盗賊たち』(2016)、『追放者たち』(2019)をはじめとして、多数の小説やエッセイ、絵本などを発表し、数々の賞を受賞している。また、近年はルーマニアの全国紙やニュースサイト、文芸雑誌のコラムニストとしても活躍している。

訳者 篁園 誓子(たけその せいこ)
奈良県生まれ。同志社大学法学部卒業後、外務省入省。ブカレスト大学政治学科修士課程修了。在ルーマニア日本大使館、欧州局中・東欧課等で勤務。現在、総合外交政策局国連企画調整課・国際機関人事センター所属。

 



 
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