フョードル・アブラーモフ
Ф・Абрамов
(1920―1983)

ロシア北部のアルハンゲリスク州ヴェルコーラ村生まれ。幼くして父を失う。レニングラード大学3年生の時戦線に赴き重傷を負う。大学院修士課程終了後文学部ソビエト文学の講座を担当。1954年、雑誌に論文「戦後文学におけるコルホーズ農民」を発表し、そのスターリン批判によってブラック・リストにのった。近代化によって変質をとげる農村の暮らしが主要なテーマ。長編小説『兄弟姉妹』(邦訳、 岩波書店)は1989年レニングラード・マールイ劇場の日本公演で大成功をおさめた。この作品と『二冬と三夏』『岐路』『家』が歴史的な四部作とされる。その他の邦訳に『ジムの再来、ダール』(ソヴェート文学89号、群像社)がある。