カヴェーリン(ヴェニアミン・アレクサンドロヴィチ・カヴェーリン 本名ジーリベル)
В・Каверин
1902―1989

古都プスコフ生まれ。レニングラードでの大学時代文学グループ「セラピオン兄弟」に加わって文学活動を開始。若くして才能を認められる。最初の短編集『師匠たちと弟子たち』(沼野充義訳、月刊ペン社)は実験的意図の勝った幻想短編集。社会主義リアリズム理論に支配される文学界で同時代の生活に題材をもとめたリアルな小説を次々と発表。『願望成就』『二人の船長』『開かれた本』など多数の長編小説のほかに戯曲、評論、回想記にも筆をふるった。一方ブルガーコフやハルムスなど闇に葬られた作家、詩人たちの復権に、またソルジェニーツィンその他の反体制作家の擁護にも力を尽くした。その他の邦訳に『地図にない町で』(理論社)。