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小さな生きものの命を見つめて
はだしで大地を アレクサンドル・ヤーシン作品集
カバー写真

詩人アレクサンドル・ヤーシンの故郷はモスクワの北東おおよそ六百キロの草深い農村。
多くのロシア人の心になぜか限りなく懐かしいもの、「魂の原郷」を呼び起こすという北の大地である。
十五歳のときに地方紙に詩を発表して奉られた渾名は「赤毛のプーシキン」。
モスクワの文学大学を卒えると同時に前線へ。塹壕でも作品を書き続けた。
戦後も次々と詩集を出すが、国家主導の文学理論と相容れず、
次第に「小さな散文」に活路を見出す。
見据えたものは大きなものの陰に隠れた小さな生きものたちのいのち。
ソヴェート詩人の断然ポエティックなこの散文集は日本初の単行本だ。

定 価:1800円(税別)

 

 
 

著者 アレクサンドル・ヤーシン
編訳者太田正一(オオタ ショウイチ)

叢書名:群像社ライブラリー 36
ISBN978-4-903619-71-2 C0398
出版年:2016.12
判型:B6変 頁数:192ページ
在 庫:アリ
分 野:ロシア文学
▼目次
[詩]
歌詞のない歌
蘇生
春の声
ともしび
はだしで大地を

[エッセイ]
鶴 ことばのちから
犬でも牛でもなく
ヘラジカ
皮?ぎ

[小説]
市中の狼
古長靴
バーバ・ヤガー


アレクサンドル・ヤーシン (1913−1968)

北ロシアの生まれ。幼時に父は第一次大戦で戦死。1928年に最初の詩を世に問い、34年に故郷で最初の詩集『セーヴェル讃歌』を発表。モスクワのゴーリキイ文学大学を卒業と同時に第二次大戦の前線へ。詩人の使命を〈ことばのちから〉で人びとを鼓舞し国家建設のために邁進することと思い定めた典型的な「ソヴェート詩人」の一人だった。戦後は抒情詩人から独自の散文作家へと変貌を遂げるが、短編『梃子』、中編ルポ『ヴォーログダの結婚式』は体制からの烈しい批判にさらされた。68年、モスクワで死去。『甘美の島』、『バーバ・ヤガー』、『ナナカマドを召し上がれ』、『プリーシヴィンとともに』、『小品集』はいずれも死後の発表だった。

太田正一 おおた しょういち
詩人・ロシア文学者。著書に連作エッセイ『森のロシア 野のロシア―母なるロシアの地下水脈から』(群像社)、訳書にカザケーヴィチ『落日礼讃』(群像社)、マーミン=シビリャークのウラル三部作『春の奔流』、『森』、『オホーニャの眉』、プリーシヴィン『裸の春―1938年のヴォルガ紀行』(以上、群像社)、『ロシアの自然誌』『森のしずく』(以上、パピルス)、『巡礼ロシア―その聖なる異端のふところへ』(平凡社)、『森と水と日の照る夜―セーヴェル民俗紀行』、『プリーシヴィンの森の手帖』(以上、成文社)、ドストエーフスキイ『おかしな人間の夢』(論創社)など。

 
 

 

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