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日本の中古車が心の支えだった・・・

右ハンドル 
カバー写真


ソ連が解体してしばらくすると大量の日本の中古車がロシアの極東に陸揚げされるようになった。
左ハンドルの国ロシアで第二の人生を送ることになった日本の右ハンドル車はロシア沿海地方の人びとに愛され、新しい文化をはぐくみ、
遠くの首都モスクワと対抗する自立の象徴にまでなっていった。
しかし中央政府の反右ハンドル圧力は徐々に強まり、極東の民の数々の抵抗や工夫もむなしく、
右ハンドル車は日本海の荒波へ押し戻されるように生きる場を失っていく……。
極東の都ウラジオストクで育った作家が右ハンドル全盛期のウラジオストクがたどった運命と右ハンドルとともに生きた日々を語るドキュメンタリー小説。

定 価:2000円 税別

著者ワシーリイ・アフチェンコ 
訳者:河尾基
ISBN978-4-903619-88-0 C0397
出版年:2018.6
判型:B6変型 頁数:336ページ
シリーズ名:群像社ライブラリー 40
在 庫:アリ
分 野:外国文学/自動車

目次
     日本語版への序文
序 章 13
第1章 ナマコ湾の空飛ぶオランダ人 15
第2章 サンマと樽とマーク類 38
第3章 ウラジオストクの胎内 56
第4章 貴金属 108
第5章 もっとうまくやるつもりだったけど 151
第6章 切れっぱし、あるいは統計誤差内のこと 178
第7章 もうひとつの命 212
第8章 炎の丑年 247
エピローグ コルチ 278
 沿海地方自動車用語集 315

 訳者解説

ワシーリイ・アフチェンコВасилий Авченко
1980年、イルクーツク州生まれ。ウラジオストクで育ち大学時代からジャーナリストとして活動、卒業後もローカル紙や全国紙のウラジオストク版の記者として働く。作家デビュー作となった『右ハンドル』(2009年)は複数の文学賞にノミネートされ全国区の注目を浴びた。続けて発表した『ウラジオストク・グローブス』、『ウラジオストク3000』(共作)、『透明なフレームのクリスタル』はいずれもウラジオストクが「主役」となっている。最新作は沿海州育ちでソ連時代を代表する作家の前半生を描いた『ファジェーエフ』(2017年)。

訳者 河尾基(かわお もとい)
1978年、鹿児島県生まれ。早稲田大学第一文学部ロシア文学専修卒業、東京大学大学院スラヴ語スラヴ文学専門分野博士課程単位取得満期退学(専門はロシア詩)。ロシア経済情報誌「週刊ボストーク通信」「月刊ロシア通信」編集長。共訳書にシニャフスキー『ソヴィエト文明の基礎』(みすず書房)がある。

 



 
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