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ポーランドのアイデンティティをかけた重大事件

十一月蜂起とポーランド王国   ポーランド史叢書 6

 

カバー写真



ショパンに「革命のエチュード」を作曲させた19世紀初めの十一月蜂起は国家なき時代にポーランド人が民族意識を保つ拠り所となった重要な出来事だった。
第一次大戦時にユゼフ・ピウスツキとともに独立国家回復のために戦い、独立後は政治家としても活躍したシリフィンスキは語る。「自らの歴史を自らの手でつくらぬ民族は、民族でなくなる。占領国の歴史に自らの歴史を重ねる民族は、自らの民族意識や世界観を失う。十一月蜂起はそうした民族の死からポーランドを救った。」
十一月蜂起についての叙述はその時々の政治状況に左右されてきたが、ポーランド人としてのアイデンティティに関わる重大事件の一つであることは変わらない。日本ではまだあまり知られていない十一月蜂起の経緯と意味を史料とあわせて紹介する。

定 価:1500円 税別

著者山田朋子
ISBN978-4-910100-02-9 C0322
出版年:2019.12
体裁:四六判上製 136ページ (カラー口絵4ページ)
シリーズ名:ポーランド史叢書

在 庫:アリ
分 野:外国歴史

目 次
 はじめに
第1章 ポーランド王国
 国王アレクサンドル一世/ポーランド王国憲法/憲法の侵害/非合法組織/社会経済的背景

第2章 蜂起開始と政権樹立への模索
 一八三〇年十一月二九日/行政評議会の動き/愛国協会の動き/独裁官フウォピツキ/議会の招集/ニコライ一世の国王廃位と国民政府樹立

第3章 ロシア軍との戦い
 春の攻防/グロフフの戦い/ヴァヴェルの戦い/オストロウェンカの戦い/ウクライナの戦い/リトアニアの戦い/他の分割領

第四章 列強の反応と蜂起側の外交政策
 イギリス/フランス/プロイセン/オーストリア

第五章 王国内の状況
 聖職者の反応/農民問題と政府・議会/六月二九日/八月一五日

第六章 ワルシャワ陥落と蜂起の終焉
 クルコヴェツキ将軍/ワルシャワ陥落/蜂起の終焉

【史料
[一] ピョートル・ヴィソツキ「ポーランド王国における政府の転換と憲法の自由を守るため に結成された秘密組織について」(一八三〇年十二月十日) 
[二] 行政評議会の声明 (一八三〇年十一月三十日)
[三] 独裁官フウォピツキの声明 (一八三〇年十二月六日)
[四] ニコライ一世の廃位に関する議会の決議(一八三一年一月二五日)
[五] 政府に関する決議(一八三一年一月二九日)
[六] 宣誓に関する議会の決定(一八三一年二月八日)

おわりに

山田朋子(やまだ ともこ)
静岡県生まれ。1990年、明治大学文学部文学研究科博士課程満期修了。文学博士(明治大学)。専門はポーランド近現代史。明治大学、国士舘大学、専修大学非常勤講師。著書に、『中東欧史概論』(鳳書房、2001年)、『ポーランドの貴族の町―農民解放前の都市、農村、ユダヤ人』(刀水書房、2007年)。
訳書に、カロリナ・ランツコロンスカ『独ソ占領下のポーランドに生きて―祖国の誇りを貫いた女性の抵抗の記録』(明石書店、2018年)。共著に、『ポーランド史論集』阪東宏編(三省堂、1996年)、『ヨーロッパ史の新地平―ポーランドからのまなざし』中山昭吉、松川克彦編(昭和堂、2000年)、などがある


 
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