定 価:2500円 税別
目次 はじめに 堀田善衞のドストエフスキー観――ドストエフスキーで現代を考える 序章 芥川龍之介のドストエフスキー観――『罪と罰』の考察と悲劇の洞察 はじめに 問題の設定――二つの芥川龍之介観 一 若き芥川龍之介と大逆事件の衝撃――『羅生門』の誕生 二 「英雄礼讃の思想」の批判――『趣味の遺伝』から『将軍』と『桃太郎』へ 三 雑誌「驢馬」と芥川龍之介の『僕の瑞威(スヰツツル)』 四 芥川龍之介から堀田善衞へ――黒澤明『蝦蟇の油』を手掛かりに 第一章 絶望との対峙――『白夜』の時代と『若き日の詩人たちの肖像』 はじめに 堀田善衞と『白夜』 一 堀田善衞の「重層史観」とドストエフスキーの『白夜』 二 『罪と罰』のテーマと「メクラ」の馬 三 「日本浪曼派」と「満州国の理念」の考察 四 『頓奇翁(トンキオウ)物語』とランボオ 五 「アリョーシャ」の「キリスト」論と復古神道 おわりに 『若き日の詩人たちの肖像』から『方丈記私記』へ 第二章 『罪と罰』の受容と日本の知識人の考察――『時間』と『記念碑』を中心に はじめに 若き堀田善衞の上海体験 一 軍隊という制度と「罪の意識」――武田泰淳の『審判』 二 「文学の立場」と「鼎の語法」――長編小説『時間』 三 原爆の噂と「ヨハネ黙示録」――短編『国なき人々』から長編『祖国喪失』へ 四 「国策通信社」の制度と「治安維持法」の考察――長編小説『記念碑』 五 新たな「転向」と記憶の「扼殺」――『奇妙な青春』 六 短編『広場の孤独』から『黄金の悲しみ』へ 第三章 ドストエフスキーの手法の考察と応用――『囚われて』から『零から数えて』へ はじめに 教祖・小林秀雄との対峙――「事実」の直視 一 詩人・原民喜の自殺と短編『囚われて』 二 『インドで考えたこと』における近代化の考察――比較文明学的な視点 三 小林秀雄と堀田善衞のドストエフスキー観――『考えるヒント』と『零から数えて』 四 『零から数えて』における『白痴』と『悪霊』的な要素 五 「ヒットラーと悪魔」と堀田善衞の『本居宣長』観 おわりに 映画『ゴジラ』から映画『モスラ』へ 第四章 核の時代の倫理と文学――ドストエフスキーで長編小説『審判』を読み解く はじめに 核の時代と「大審問官」のテーマ 一 『審判』とその時代――『ヒロシマわが罪と罰』と安保条約改定 二 『白痴』と『悪霊』の主人公の苦悩と『審判』のポール・リボート 三 『審判』における家の構造と世代間の対立 四 『白痴』の人物体系と『審判』――出唐見子と叔父・高木恭助 五 上官・志村の「罪」と美意識の問題――『審判』における復讐と決闘のテーマ 六 「逆キリスト」としてのポールと「大審問官」のテーマ おわりに 『審判』から『スフィンクス』へ 第五章 ナポレオン戦争と異端審問制度の考察――『ゴヤ』から『路上の人』へ はじめに プラーテンの詩と『美しきもの見し人は』 一 『ヨハネの黙示録』と「異民族交渉について」――『美しきもの見し人は』 二 異端審問所とスペインの独立戦争の考察――ゴヤとドストエフスキーへの関心 三 『罪と罰』の考察とスピノザの哲学――「ナポレオン現象」と「非凡人の理論」の克服 四 「大審問官」の考察――『路上の人』と『カラマーゾフの兄弟』 おわりに 平和の構築を目指して――『ミシェル 城館の人』 終章 宮崎アニメに見る堀田善衞の世界――映画《風の谷のナウシカ》から映画《風立ちぬ》へ はじめに 宮崎駿の文学観と堀田善衞 一 映画『モスラ』から『風の谷のナウシカ』へ 二 卒業論文のランボオと映画『紅の豚』 三 映画『風立ちぬ』と『若き日の詩人たちの肖像』の時代 おわりに 映画『風立ちぬ』と堀田善衞の「風立ちぬ」観 あとがきに代えて 『若き日の詩人たちの肖像』との出会いと再会 初出一覧/関連年表 高橋誠一郎(たかはし せいいちろう) 1949年福島県二本松市に生まれる。東海大学文学部文学研究科(文明専攻)修士課程修了。元東海大学教授。ドストエーフスキイの会、堀田善衞の会、日本ロシア文学会、世界文学会、日本比較文学会、日本トルストイ協会、ユーラシア研究所、黒澤明研究会、日本ペンクラブなどの会員。 著書と編著:『「罪と罰」の受容と「立憲主義」の危機 ――北村透谷から島崎藤村へ』(成文社、2019年)、『黒澤明と小林秀雄――「罪と罰」をめぐる静かなる決闘』(成文社、2014年)、『黒澤明で「白痴」を読み解く』(成文社、2011年)、『ロシアの近代化と若きドストエフスキー ――「祖国戦争」からクリミア戦争へ』(成文社、2007年)、『ドストエフスキイ「地下室の手記」を読む』(リチャード・ピース著、池田和彦訳、高橋誠一郎編、のべる出版企画、2006年)、『欧化と国粋――日露の「文明開化」とドストエフスキー』(刀水書房、2002年)、『「罪と罰」を読む(新版)――〈知〉の危機とドストエフスキー』(刀水書房、2000年)、『新聞への思い――正岡子規と「坂の上の雲」』(人文書館、2015年)、『司馬遼太郎の平和観――「坂の上の雲」を読み直す』(東海教育研究所、2005年)、『この国のあした――司馬遼太郎の戦争観』(のべる出版企画、2002年)
高橋誠一郎(たかはし せいいちろう) 1949年福島県二本松市に生まれる。東海大学文学部文学研究科(文明専攻)修士課程修了。元東海大学教授。ドストエーフスキイの会、堀田善衞の会、日本ロシア文学会、世界文学会、日本比較文学会、日本トルストイ協会、ユーラシア研究所、黒澤明研究会、日本ペンクラブなどの会員。 著書と編著:『「罪と罰」の受容と「立憲主義」の危機 ――北村透谷から島崎藤村へ』(成文社、2019年)、『黒澤明と小林秀雄――「罪と罰」をめぐる静かなる決闘』(成文社、2014年)、『黒澤明で「白痴」を読み解く』(成文社、2011年)、『ロシアの近代化と若きドストエフスキー ――「祖国戦争」からクリミア戦争へ』(成文社、2007年)、『ドストエフスキイ「地下室の手記」を読む』(リチャード・ピース著、池田和彦訳、高橋誠一郎編、のべる出版企画、2006年)、『欧化と国粋――日露の「文明開化」とドストエフスキー』(刀水書房、2002年)、『「罪と罰」を読む(新版)――〈知〉の危機とドストエフスキー』(刀水書房、2000年)、『新聞への思い――正岡子規と「坂の上の雲」』(人文書館、2015年)、『司馬遼太郎の平和観――「坂の上の雲」を読み直す』(東海教育研究所、2005年)、『この国のあした――司馬遼太郎の戦争観』(のべる出版企画、2002年)
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