ヴィクトル・ペレーヴィン(1962―)
Пелевин,Виктор
(Pelevin,Viktor)

20世紀末のロシアで新進作家として登場して以来、絶大な人気を誇り、 国外からも熱い注目を浴びつづけている現代作家。発表される作品はいずれもベスト セラーを記録し、「ロシアの村上春樹」といわれる。モスクワ生まれ。1991年に出版 された最初の短編集『青い火影』は数日間で完売、ロシアで最も権威ある文学賞ロシ ア・ブッカー賞で異例の受賞をはたした。ロシア的世界に東西の哲学、神秘学、宗教 思想までを混合させた奇妙で幻想的な世界はつねに強烈な異彩をはなって読者を魅了 する。代表作に中編『黄色い矢』や『チャパーエフと空虚』『ジェネレーションP』 などの長編がある。邦訳では『眠れ』(『青い火影』第1部)、『虫の生活』(いず れも群像社)がいちはやく紹介され話題となり、最近では『恐怖の兜』(角川書店) が刊行されて読者をひろげている。