オシップ・マンデリシュターム(1891―1938)
Осип Мандельштам
(Osip Mandel'shtam)

ワルシャワに生まれた翌年ロシアへ移住。幻想の都ペテルブルグがのちの詩人を育て上げることになる。早くから象徴派の詩人たちと交わり詩を書き始め、1913年に刊行された第一詩集『石』により神秘的な象徴主義から離れた新しい詩の潮流(アクメイズム)の代表的詩人として高く評価された。革命後も国内に残ったが社会主義的な文学が主流を占める中で次第に発表の場を失い、34年スターリンを諷刺した詩で逮捕流刑、38年の二度目の逮捕の後収容所で死亡。その後も詩の影響力は尽きることなくパウル・ツェランやヨシフ・ブロツキイ、シュイマス・ヒーニーをはじめ多くの20世紀詩人たちにとって貴重な「光源」となっている。